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和式から洋式トイレへのリフォーム手順と費用——失敗しない段取り・工法・相場を徹底解説

和式から洋式トイレへのリフォーム手順と費用——失敗しない段取り・工法・相場を徹底解説

和式から洋式トイレへリフォームする際の手順・工期・費用相場・工法選び・配管や電気のポイントを、リフォーム会社の実務視点でわかりやすく解説。マンション・戸建て別の注意点、段差解消やバリアフリー、手洗い器や温水洗浄便座のオプション費用、よくある失敗まで網羅します。

📚 目次

  1. まず知っておきたい基本
  2. リフォームの標準手順(時系列)
  3. 工法別の特徴と向き・不向き
  4. 費用相場と内訳
  5. 比較表:工法・便器タイプ・追加工事
  6. 現地調査チェックリスト
  7. マンションと戸建ての違い
  8. 段差解消・バリアフリー設計
  9. 失敗しやすいポイント
  10. 施工事例(要約)
  11. よくある質問
  12. 無料相談のご案内
  13. まとめ
contents ...

まず知っておきたい基本

和式から洋式へのリフォームは、単に便器を取り替えるだけではありません。排水方式(床排水/壁排水)排水芯の寸法給水位置電源(アース付コンセント)床下地換気など複数の要素が絡みます。とくに排水芯は設置可否と費用に直結し、現在主流の床排水200mm壁排水120mmに合わせるために、リフォーム用偏心ソケット排水移設で調整します。

要点:「既存の配管条件に合う便器を選ぶ」のが最もコスト効率がよく、移設を伴う場合は工期・費用が上がります。

また、和式から洋式に変えると床の段差が生まれやすいため、床の高さを上げる(かさ上げ)か、下地から作り直してフラットにするかを検討します。段差解消は転倒リスク低減・清掃性向上につながり、将来の介護にも有利です。

リフォームの標準手順(時系列)

  1. 現地調査・ヒアリング:排水方式・排水芯・給水位置・給水管種・電源・換気・内装状態・入口幅・段差・既存手洗いの有無を確認。写真と採寸を実施。
  2. プラン・見積:工法(床上げ/段差解消/排水移設)と便器タイプ(組み合わせ・一体型・タンクレス等)を決定。必要に応じて手洗い器や手すり、収納計画も同時に提案。
  3. 養生・解体:共用部養生→既存便器撤去→床・壁の解体。廃材搬出と臭気・漏水対策を実施。
  4. 配管・電気:排水芯の調整や移設、止水栓・給水位置の修正、アース付コンセント新設・移設、温水洗浄便座用の専用回路が必要な場合は配線。
  5. 下地・床仕上げ:合板下地・レベリング→CF(クッションフロア)やフロアタイル張り。巾木・ソフト巾木、必要に応じて防臭材を施工。
  6. 器具取付:便器本体・タンク(または一体型)・便座・紙巻器・タオル掛け・手すり・手洗い器などを取付。給排水接続、作動確認。
  7. 内装仕上げ:壁・天井のクロス張替え、照明・換気扇の交換やスイッチプレートの更新。
  8. 試運転・清掃・引き渡し:漏水・ガタつき・温水洗浄便座の各機能、便座暖房・脱臭・自動開閉等を確認。取扱説明と保証書をお渡し。

工期の目安:便器交換+床上げで1日、段差解消や内装一新で2〜3日、排水移設や手洗い新設を含むと3〜5日が一般的です(現場条件により前後)。

工法別の特徴と向き・不向き

床上げ(かさ上げ)工法

既存和式の床段差上に木下地を組み、その上に新しい仕上げ材を張る方法。コストを抑えやすく工期も短いのが利点。床が数センチ高くなるため、入口の段差や見切り処理に配慮が必要です。

段差解消(下地から作り直し)

和式特有の立ち上がりを撤去し、下地を作り直してフラット床にする工法。将来的なバリアフリーやお掃除のしやすさで最も満足度が高い反面、解体・下地・内装の工程が増えるため費用と工期は中位〜高め。

排水移設(芯ズレ大きい場合)

既存の排水位置が現行規格と大きく異なる場合に配管を移設する方法。自由度が高く仕上がりも綺麗ですが、床解体の範囲拡大・補強・復旧が必要となり費用・工期は増加します。

豆知識 小さな芯ズレはリフォーム用偏心ソケットで調整できることがあります。移設が不要になればコスト削減に。

費用相場と内訳

相場は地域・建物条件・部材グレードで変動しますが、和式→洋式のリフォームでは以下のレンジが目安です。

  • 便器・便座本体:約8〜35万円(組み合わせ便器〜タンクレスまで)
  • 施工費(撤去・処分・取付):約6〜20万円
  • 床・壁・天井の内装:約5〜15万円(クッションフロア/クロス張替え等)
  • 排水移設・給水位置変更:約3〜15万円(範囲により)
  • 電気工事:約1.5〜6万円(アース付コンセント新設、照明・換気の更新 等)
  • 手洗い器新設:約8〜20万円(本体・排水・給水・壁補強含む目安)
  • 手すり設置:約1.5〜4万円(下地補強別途の場合あり)

合計目安:床上げで15〜30万円、段差解消で25〜45万円、排水移設を伴うと35〜70万円、間取り変更・バリアフリー対応を含む全面改装では60〜120万円程度が目安です。

※相場はあくまで目安です。材料価格の変動、搬出入経路、解体範囲、共用部養生、駐車スペースの有無などで増減します。

比較表:工法・便器タイプ・追加工事

工法比較

工法特徴費用レンジ工期目安向いているケース留意点
床上げ既存床の上に下地を組み高さ調整。短工期。15〜30万円1日コスト重視/入替を急ぐ入口の段差処理・既存より床が高くなる
段差解消和式立ち上がり撤去+下地から作り直し。25〜45万円2〜3日清掃性・見た目・将来の介護を重視解体・復旧工程が増え費用中位
排水移設排水芯を新規便器に合わせて移動。35〜70万円3〜5日芯ズレが大きい/最適配置にしたい床開口拡大・補強・復旧が必要

便器タイプ比較

タイプ価格帯清掃性節水性メンテ性特徴
組み合わせ便器低〜中◎ 部位ごと交換可便器・タンク・便座が独立。費用対効果◎。
一体型◎ 継ぎ目が少ない△ 故障時は全体交換の可能性デザイン性と清掃性のバランスが良い。
タンクレス中〜高◎(加圧給水が必要な場合あり)△ 停電時洗浄方法の確認必須圧迫感が少なく空間が広く見える。
キャビネット一体中〜高○ 配管を隠す○ 収納一体見た目スッキリ。手洗い器とセットにしやすい。

追加工事・オプション比較

項目内容費用目安ポイント
温水洗浄便座瞬間式/貯湯式、自動洗浄・脱臭・自動開閉など3〜12万円冬場の快適性・節電機能・ノズル清掃性を確認
手洗い器独立手洗い、キャビネット一体型8〜20万円小空間はスリムタイプ、ボトルトラップ掃除性も確認
手すり/下地補強L字・I字・立ち座り補助1.5〜4万円将来を見据えて位置・長さ・下地を計画
換気扇・照明静音・省エネ・人感センサー1.5〜5万円臭気・結露対策、電気代を抑制
収納埋込収納・可動棚・吊戸1〜6万円ペーパー・洗剤のストック量を想定

自治体や国の補助金・助成制度は年度により内容が変わります。バリアフリー改修省エネ機器が対象になる場合もあるため、最新情報は必ず事前確認を。

現地調査チェックリスト

  • 排水方式:床排水/壁排水のどちらか。排水芯寸法(床は200mmが主流、壁は120mmが一般的)。
  • 給水位置・管種:止水栓の位置・老朽化、腐食の有無。
  • 電源:アース付コンセントの有無、容量。専用回路の必要性。
  • 床下地:腐食・沈み・傾き。補強や合板増し張りの要否。
  • 換気・窓:換気扇能力、作動音、ダクト経路。窓がある場合は冷気対策。
  • 入口幅・段差:車いす/歩行器を想定した開口寸法、しきい段差の処理。
  • 手洗い・収納:既存の位置と新設可否、給排水の取り回し。
  • 共用部と搬入経路:マンションはEVサイズ・養生の許可、作業時間帯の規約。

プロの視点:「配管条件」「電源」「下地」を最初に押さえると、工法と機種選定がスムーズになり、追加費用の発生を抑えられます。

マンションと戸建ての違い

マンションは管理規約により工事時間・騒音・共用部養生・搬入経路の制限があり、配管はスラブ内や壁内を通るため排水移設の自由度が低いケースが多くなります。縦管の位置や階下への影響に配慮し、既存寸法に合う便器を選ぶか、偏心ソケットで芯ズレを調整するのが一般的です。

戸建ては床下空間に余裕があることが多く、配管・補強・断熱の自由度が相対的に高い一方、寒冷地の凍結対策や床下の湿気・シロアリの確認が有効です。

段差解消・バリアフリー設計

  • 出入口の有効幅:将来の介助を想定し有効幅750mm以上を目標(建具交換で改善可)。
  • 通路スペース:回転や立ち座りを考慮して800〜900mm程度の確保が快適。
  • 手すり:立ち座り動作に合わせ、L字またはI字。下地補強を忘れずに。
  • 紙巻器位置:座位から取りやすい範囲に。手すりと干渉しないよう事前に高さ・奥行きを確認。
  • 床材:耐水・ノンスリップ・目地が少ないもの。巾木はソフト巾木で清掃性UP。
  • 照明とスイッチ:人感センサー、グレアの少ない器具。スイッチ高さは使う人に合わせる。

和式→洋式で失敗しがちなポイント

  1. 芯ズレを見落とす:選定機種と排水芯が合わず、当日追加工事に。事前採寸が最重要。
  2. 電源が足りない:温水洗浄便座にアース付コンセントが必要。延長コードは不可。
  3. 段差・見切りの処理が甘い:床上げの見た目や掃除性が下がる。建具交換や見切り部材で解決。
  4. 換気不足:消臭・カビ対策が不十分。静音・高効率の換気扇に更新すると快適。
  5. 収納を後回し:洗剤・ペーパー・掃除道具の置き場がなくなる。キャビネット型や埋込収納を計画。

施工事例(要約)

事例1:マンション/床上げ+一体型

管理規約の制約があるため配管移設は避け、偏心ソケットで芯ズレを調整。床上げで短工期(1日)・費用を抑えつつ、壁天井のクロスも張替え、明るい空間に。

事例2:戸建て/段差解消+タンクレス+手洗い新設

和式の立ち上がりを撤去しフラット化。床下補強のうえ断熱材を追加。タンクレスで省スペース化し、カウンター一体型の手洗い器を新設。使い勝手と清掃性が向上。

よくある質問(FAQ)

Q. 工事期間はどれくらいかかりますか?

A. 床上げ+便器交換のみで1日、段差解消や内装一新で2〜3日、排水移設や手洗い新設を含むと3〜5日が目安です。 Q. 費用の総額はどのくらい見ておけばいいですか?

A. 条件次第ですが、目安は15〜30万円(床上げ)25〜45万円(段差解消)35〜70万円(排水移設あり)、全面改装なら60〜120万円程度です。 Q. マンションでも工事できますか?

A. 可能です。管理規約・工事時間・養生の取り決めに従い、配管条件に合わせて機種選定または偏心ソケットで調整します。大規模な排水移設は制限されることがあります。 Q. 温水洗浄便座の電源がありません。

A. アース付コンセントを新設します。分電盤からの専用回路が必要な場合もあるため、見積時に電気工事を含めて計画します。 Q. 補助金は使えますか?

A. バリアフリー改修や省エネ設備が対象となる制度がある場合があります。内容は年度・自治体で異なるため、最新の公表情報をご確認ください。 Q. 仮設トイレはどうなりますか?

A. 工期やご家族の状況に応じて、1日施工であれば日中のみ使用不可、複数日施工では屋外簡易トイレの手配や2階トイレの併用などをご提案します。

無料相談のご案内

現地下見で最適な工法と機種をご提案します

排水芯・電源・下地を丁寧に確認し、追加費用の出にくい見積りをご提出。最短で即日お見積りも可能です。

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まとめ

  • 和式→洋式は配管条件の確認が最優先。合う機種を選べばコスト最小化。
  • 工法は床上げ/段差解消/排水移設の3本柱。仕上がり・費用・工期のバランスで選定。
  • 内装・電気・換気・収納まで同時に整えると、満足度と耐用年数が向上
  • マンションは規約・配管制約に注意。戸建ては床下の補強・断熱も検討を。
  • 補助金は年度で変わるため事前確認を。バリアフリー設計で長く快適に。
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